学資保険のランキングを見たり返戻率を見る時には落とし穴があります。
なぜなら、戻り率は保険期間、払込期間、払込方法などによって変わってくるからです。
パンフレットなどには「おっ!」と目を引くような良い商品であることをアピールされています。
一般的な学資保険は17歳(高校3年生)まで毎月または毎年保険料を支払っていって、支払いが終了すると同時に満期となりお金が戻ってくる(満期返戻金)ものです。
しかし、パンフレットやインターネットの戻り率の表示は、これ以外の形ものも結構あります。
学資保険の返戻率(戻り率)を良くする方法
「戻り率を良くする方法」で詳しくお話していますが、パターンとしては
- 保険料払込期間を短くする
- 満期返戻金の受け取りを分割にする
こういった手法があります。
以下で例を挙げて説明します。
学資保険の払込期間を短縮する方法
子供が産まれてから、毎月1万円ずつ17年間保険料を支払うと仮定します。
すると1年間で12万円、10年間で120万円、17年間で204万円預けることになります。
保険会社へ渡すお金は徐々に増えて行っているイメージです。
次に、子供が産まれてから、毎月1万1330円ずつ15年間保険料を支払うとします。
そうすると15年間で前出の例と同じ約204万円が15年で貯まることになります。
保険期間は17年なので、運用期間が2年間延びます。
204万円の運用期間が長くなるため、後者の例のほうが戻り率が良くなります。
ここに学資保険の戻り率を良く見せるからくりがあります。
見積もりやパンフレットを複数社取り寄せる中で、こういった払い込み期間などの条件が全く同じということは少ないと思います。
こういった条件の違いを見落として、見かけだけ比較やランキングに惑わされると損をする可能性もありえます。
受取期間を長くする方法
また、受取期間を複数回に分けることで返戻率を良くする方法もあります。
例えば、200万円貯まっている満期返戻金を子供が大学に通っている間、毎年受け取るとなると4回になります。
4分割だと毎年50万円ずつ受け取ることになるので、1年目50万円を受け取ると残り150万円です。
保険会社ではこの1年間に150万円を運用してくれます。
2年目、また50万円受け取ると残りは100万円になります。
この100万円を、保険会社では1年間運用してくれます。
こういった形で大学進学時に一括で受け取るよりも、保険会社が運用してくれる期間が延びることによって戻り率が良くなります。
学資保険の返戻率ランキングを見る場合には落とし穴に注意
上記のように、見せかけの戻り率を良くする方法はいくつか存在します。
見せかけるというと言い方は適切ではないのかもしれませんが、実際に返戻率は良くなります。
ですから、資料請求をしたあとの見積もり依頼では、同じ条件で見積もりをしてもらうほうがよいでしょう。
また、学資保険は各社さまざまな特色を出してきているので、特約などを総合的に判断しましょう。
私は一度資料請求をした後で、保険ショップやファイナンシャルプランナーなどのプロに相談することをお勧めしています。
以上が、学資保険・こども保険の返戻率ランキングに見られる落とし穴についてのお話です。