父親が亡くなってしまった場合、生命保険などがなければ一切の収入がなくなってしまうのか?
実はそうではありません。
日本にはありがたいことに遺族年金などの社会保障というものがあります。
サラリーマンなら毎月強制的に差引かれている「健康保険」や「厚生年金」「雇用保険」などがそれに当たります。
この中で、父親に万一があった場合に味方になるのが「厚生年金」「国民年金」「共済年金」です。
簡単な公的年金の仕組み
公的年金は国民がすべて加入する「国民年金」がベースとなっています。
これが「基礎年金」と言われるものです。
サラリーマンや公務員が加入する「厚生年金」や「共済年金」は国民年金の上乗せ保障という位置づけです。
個人事業主などの場合は国民年金のみに加入している方がほとんどなので
国民年金のみから年金が支払われます。
サラリーマンや公務員は「厚生年金」「共済年金」と「国民年金」に加入している形になりますので
「国民年金(基礎年金)+「厚生年金」が支払われます。
遺族年金について
一家の収入を得ていた父親が亡くなってしまった場合、国が運営している年金からも
「遺族年金」という形で毎年年金が支払われます。
これまでと同じ生活ができるものではありませんが、一家が生活していく上では助けになるものです。
余談ではありますが、公的年金には老齢年金以外にも遺族年金などの保障があるので、
加入しておく必要があります。
せっかく年金に加入しているのですから、父親の死亡保障を考えるときには
この公的年金から入ってくる「遺族年金」を考慮すると合理的な準備ができます。
遺族年金で受け取れる金額とシュミレーション
では、「遺族年金」はどれくらい受取ることができるのでしょうか?
「国民年金(基礎年金)」の場合、遺族年金の支払い要件は
- 支払い期間の3分の2の保険料を支払っていること
- 妻に子供がいること
この2点になります。
つまり、子供がいない妻に対して「遺族年金」は一円も支払われないことになりますので、
個人事業などをされている方は注意が必要です。
父親の平均月収が40万円で子供が1人いた場合でみると
年間で受取れる遺族年金は631,600円となります。
これも子供がいることが要件となりますので子供が18歳になると0円になってしまいます。
「厚生遺族年金」の場合は子供がいなくて妻だけの場合でも支払われます。
上記の例で年間受取れる遺族年金は
妻(632,600円)+子供(1,020,000円)で合計1,651,600円となります。
子供が18歳になったあとも老齢年金が受取れるまで毎年632,600円が受取れることになります。
ちなみに子供が二人いる場合では1,879,500円となります。
「厚生遺族年金」の場合、子供がいる間はかなり手厚い保障となっていますね。
サラリーマンの場合はこれと奥さんがパートに出ることを想定すると
生命保険の死亡保障は押さえることができるのではないでしょうか?
近年よく売れている死亡保障の商品で『収入保障定期保険』というのがありますが、そちらで準備しておくのも合理的ですよ。
個人事業主の場合は、これら遺族年金の支給額などを含めて少し多めに生命保険に加入する必要がありますね。