保険会社の健全性を表す指標に『ソルベンシーマージン比率』というものがあります。
これは保険会社の支払い余力と言って、保険会社が予測不可能な支払い事由があった場合にも
保険金を支払うことができる能力です。
このソルベンシーマージン比率が200%以上あれば金融庁が認める健全な保険会社といえます。
学資保険・こども保険はランキングよりも中身の方が大切です。
その中の一つに保険会社の健全性もその一つといえます。
学資保険・こども保険や低解約返戻金型終身保険などは長い期間にわたり、保険料を支払っていくので、
現時点での健全性はしっかりとチェックしておきましょう。
ソルベンシーマージン比率と逆ざや問題
一般的にソルベンシーマージン比率のランキングを見てみると、ランキングが高いのは、
外資系生命保険会社や損害保険会社系の生命保険会社が占めています。
これは、実は、日本での営業期間にも関係があります。
国内の大手保険会社が経営的に大きな痛手を受けた時期があります。
それは、バブル経済が崩壊して景気が悪化したあとです。
当時の国内生保は好景気をバックに、高い金利で運用できることを前提に、
運用したり利息を支払ったりしていました。
これは、あくまでも例えなのですが、
養老保険の保険料累計が400万円くらいでも満期保険金は500万円くらいもらえた時期がありました。
20年間保険料を払うと100万円多く戻ってくるようないい時代です。
この500万円は契約する段階で約束されていた金額です。
しかし、バブルが弾けて、好景気のときのように高い運用利率が確保できなくなりました。
そうすると、100万円利息を付けていたものが10万円くらいしか利益が出せなかったり、
逆にマイナスの運用になったりします。
仮に10万円の利息が付く運用ができたとしても、約束しているのは100万円の上乗せなのですから、
90万円は赤字です。
これを『利ざや』に対して『逆ざや』と呼びます。
国内生保は高い運用利率の商品を長い間販売してきていたので、バブルが弾けて大打撃を受けました。
これに耐え切れなかった保険会社は破綻してしまったのです。
なんとか生き残った国内保険会社もかなりの痛手を負いました。
聞いた話では、毎年2000億~3000億円の逆ざやがあった保険会社もあったようです。
3~4年で1兆円を超える赤字です。
現在はこの逆ざや問題は下火になってきています。
逆にこの『逆ざや』の影響を受けなかったのは、
営業期間が短くてバブル崩壊の影響をあまり受けなかった外資系保険会社や
損害保険系子会社の生命保険会社です。
聞いたこともないような生命保険会社のソルベンシーマージン比率が意外と高いのはそのためです。
ソルベンシーマージン比率は一つの指標です。
ソルベンシーマージン比率は指標のひとつとして判断しましょう
過去に『逆ざや』に苦しみながらも持ち直して現在のソルベンシーマージン比率なら評価できますし、
逆に日本での営業期間が短い場合は、もう少し様子を見てもいいかもしれませんね。
また、日本では金融庁が保険会社の経営をしっかりと見張っているので、
ソルベンシーマージン比率が200を割り込むことがあれば、
しっかりと保険会社に対して指導をしてくれます。
ソルベンシーマージン比率は高いに越したことはありませんが、総合的に判断する一つの材料と受け止めて、
学資保険・こども保険などの判断材料にしてみてはいかがでしょうか?